納品したイラストが第三者に!?二次創作・販売された話

イラストが二次創作・販売された イラスト

さめはだ舞子です。わたしは趣味でイラストを作成・販売しているのですが、ちょっとしたトラブルが発生しました。

 

わたしが依頼者さんと取引して作ったアイコンイラスト。

 

その依頼者さんが第三者のイラストレーターさんに依頼し、二次創作したうえで「販売」されました

 

わたしはこのことを聞いていませんし、「商用利用料」をいただいていたわけでもありません。

 

納品イラストが二次創作・販売された

 

イラストを依頼する場合、依頼者は『サービス(イラストをつくる手間)を含めた、イラスト自体』への支払いをします。

 

そして、イラストを使用してなにかをする場合『商品』とは別に、別途支払いをして『権利』を買う必要があります

 

イラスト自体のほかに『権利』への対価が必要になる

  • イラストをつかって利益を出す場合
    →『商用利用』の権利
  • 第三者がイラストを元に二次創作する
    →『デザイン使用』の権利 など

 

その点をふまえ、今回はトラブルの状況・原因・対策などについてまとめていきます。

 

また、記事後半では「ココナラ」で出品するときに気をつけるポイントもお伝えしています。

 

  • 個人でイラストを販売している人
  • イラストレーターに仕事をお願いする機会がある人
  • ココナラなどのサービスで販売している人

 

わたしと同じようなトラブルが発生する可能性がありますので、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。

 

イラストに限らず、音楽・写真・フォントすべてにおいて起こりうることです。

 




!依頼者・第三者イラストレーターに記事公開の許可、該当ツイート引用の許可を得ています!

トラブル発覚まで

今回のトラブル発生までの状況を軽くまとめてみます。

 

オリジナルアイコンの依頼をされ、作成・納品

ブログ用のアイコンとしてこちらを納品しました。

 

ご依頼時にあらかじめPDF資料で「著作権」「商用利用」について注意事項を渡し、確認するようにお願いしています。

 

著作権とは?

作ったモノは作った人の財産とし、
何かに使いたい場合は必ず許可が必要だという権利

>>参考
依頼する前に知って欲しい!! トラブルを未然に防ぐ著作権の話

 

実際にお渡しし、確認報告をいただいた資料の抜粋がこちら↓

[著作権について]
  • 著作権の譲渡は致しておりません
  • 納品イラストの加工・二次創作はご遠慮ください。
    (※現在ファンアートの範囲であれば許可しています)

 

[商用利用について]
  • 広告が掲載されたブログへの掲載は許可致します。ブログ掲載範囲を超えた使用を希望する場合はご相談ください。
  • グッズ制作や名刺など、印刷を伴った商用利用につきましては別途料金をいただくかお断りさせていただくことがございます。

 

この段階では二次創作(=ファンアート)も禁止していました。納品後、規約の改定を行い、「ファンアート」はOKとしています。

 

最新の規約はこちら
>>https://samemai.com/portfolio_top/




ブログ、SNSで利用され始めるとファンアートが出てくるようになる

納品後、依頼者さんのブログやSNSで納品したイラストが使われ始めました。

 

この時点で「無償の二次創作(=ファンアート)」は許可していました。

 

そのため、依頼者さんのフォロワーによるファンアートについては特に突っ込んでいません。

 

 

しかし、その数日後に発信されたツイートが問題でした。

 

事前相談なしで依頼者が第三者イラストレーターにバナー制作を依頼

 

さめはだ
あれ!?わたしのキャラクターデザインが勝手にバナーイラストになっている……

 

状況を確認するため依頼者さんにメッセージを送ります。

 

さめはだ
こちらって有料でお願いされたのでしょうか?

依頼者さん
これはお金払いました! ダメでしたかね??




今回の問題点

つまりこういう流れです。

 

①イラストを依頼者に納品

依頼者にイラストを納品

 

②依頼者が第三者にバナー制作を無断で依頼

依頼者が第三者にイラストをわたした

 

③第三者が納品イラストを二次利用し、制作代をもらう

第三者が二次創作・販売

 

今回の問題点は3つ。

  1. 依頼者さんが「無断で」仕事として第三者イラストレーターに依頼したこと
  2. 第三者イラストレーターはわたしのキャラクターデザインを二次創作し、利益が発生したこと
  3. 商用利用をする場合に必要な「商用利用料」が支払われていないこと

 

わたしがデザインしたキャラクターで第三者に利益が(無断で)あがったということです。

 

しかも、本来わたしに入るべき「商用利用料」も支払われていません。

 

納品イラスト二次創作・販売

 

 

納品イラストが二次創作・販売された




そもそも「商用利用」とは?

「商用利用」とは「商業利用」と同じ意味で、

営利目的で利用すること。その資源を二次利用したり、販売チャネルとして用いたりすることで、利益を得ること。
出典:weblio辞書

 

ネット業界における一般的な見解は、

 

商品やサービスの対価として『利益』があがる行為

それに関連する広告活動などの業務も「商業利用」の範囲に該当する。

 

とされています。例をあげてみましょう。

 

  • イラストを使ってTシャツをつくり販売する
  • イラストを「広告」が貼ってあるブログに掲載する
  • 名刺やチラシなどの「広報媒体に使用」する

 

とにかく作者以外のところで「利益が発生すること」は『商用利用』と考えるのが分かりやすいと思います。

 

少年漫画ワンピースのファンが “個人的に” ルフィのイラストを描いて楽しむのはOKです。

 

しかし、ルフィのイラストを自分で描き、商品を作って「売る」行為は著作権侵害でもあり、二次利用ですよね。

さめはだ
作者以外の人が勝手にルフィのキャラクターで儲けていることになっちゃいます!

 

コミケなどの同人誌販売はOKなの?

二次創作による「同人誌の作成・販売」は昔から『利益をださない』というルールがあります。

 

「売上金額」と同人誌制作にかかった費用・会場代・送料などの「経費」が同等になり、実質「利益0」にしなければなりません。

 

※とはいえ著作権の侵害と言われればアウトなので、出版社がなにか言われない限り「グレーゾーン」として扱われています。




第三者イラストレーターさんに対して抱いた危機感

依頼者さんに「商用利用」についてきちんと理解してもらえてなかったという自分への反省もあります。

 

しかし、それと同時に仕事を受けた第三者イラストレーターさんに危機感を覚えました。

 

依頼者さんは自身のTwitterやブログで、アイコンを作成してもらったことは周知しています。

 

つまり、フォロワーである第三者イラストレーターさんは元のイラストが「他人が描いたイラスト」だということを知っているのでは?と思いました。

 

さめはだ
ちなみにイラストレーターさんからは「アイコンを二次利用していいのか?」などの確認などありましたか?

依頼者さん
いいえ、特になにも…もしかしたら、知らないのかもしれません

 

仕事を受ける身として二次利用について「知らない」では信用を失いかねない出来事です。

 

その後、このイラストレーターさんと直接やりとりすることに。

 

第三者さん
イラストの二次創作、および第三者による商用利用については知っていましたが、この猿のイラストは依頼者さんが描かれたものだと思っていました

 

どうやら、依頼者本人が描いたオリジナルイラストだと思っていたようです。

 

これは、依頼者さんの伝達不足、そして、イラストレーターさんの確認不足です。



polcaやスポンサーのリターン

最近ブロガー界では、

  • polcaのリターンとしてイラストを描きます!
  • スポンサー契約をしてくれたら、バナーを作り、ブログに掲載します!

といったものを見かけますね。

 

このような場合も金銭(利益)が発生しています

 

イラストレーターはいくら依頼だったとしても、その依頼主がきちんと「元のイラストレーターに許可をもらっているか」を確認しましょう。

※支援者自身が描いたオリジナルキャラクターなら問題はありません




トラブルの原因

今回のトラブルは、制作者(わたし)・依頼者・第三者イラストレーターの三者それぞれに原因があります。

 

制作者(わたし)

商用利用や二次創作、第三者への扱いについてアナウンス不足でした。

 

依頼時に規約的なPDF資料を渡したり、ブログの依頼ページには使用可能範囲などを記載していましたが、

 

  • もっと丁寧にわかりやすく
  • 読まれる工夫

 

をしなければならないと思いました。

 

きちんと説明しても、分かってもらえていないかもしれない、という意識は大切です。

 

依頼者

イラストを「外注する」ということに関しての認識不足です。

 

  • 著作権
  • 商用利用
  • 二次利用(二次創作)

 

これらのことについて、きちんと理解したうえで依頼をしましょう。

 

依頼ページに詳細が書いていなくても「この場合は大丈夫なのか?」と自分で考えられるようになるとトラブルを避けやすいと思います。

 

また、第三者の方に納品イラストをもとに依頼する場合は

 

  • 自身のイラストではないということをきちんと伝える

 

でないと、相手に誤解を与え『自作発言』と思われてしまうこともあります。

 

第三者イラストレーター

依頼者からの依頼になんの疑問も持たずに受注してしまったことが原因です。

 

依頼者さん
このアイコンイラストでバナーをつくってください!

 

という依頼が来たら要注意。

 

  • そのイラストは依頼者本人が描いたものなのか?
  • そのイラストの元の制作者は第三者による「二次創作」や「商用利用」は許可しているか?

 

イラストレーター自身でこれらを確認してから受注し、「自衛」をする必要がありました。




今回は「和解」した

今回は話し合いの末、三者「和解」ということになりました。

 

本来であれば、「商用利用料」や「著作権侵害の申し立て」「無断使用料」などが請求できるようです。

 

(今回はブログでの公開を条件に請求はしませんでした)

 

また、すでに作成済のバナーイラストの使用について、第三者イラストレーターさんより「利用中止とします」とのご返答をいただきました。



制作者・依頼者の認識の違いに注意

依頼者が意識しなければいけないポイントは、イラストレーターによって「商用利用」「二次創作」の範囲が異なるというところです。

 

二次創作、商用利用について…

  • 報告なしでOK
  • 報告あればOK
  • 用途次第でOK
  • 追加料金でOK
  • 一切NG

など……

 

二次創作、商用利用の範囲について…

  • 広告(アドセンスなど)を貼ったブログの掲載は追加料金なしでOK
  • 配布しない個人でのグッズ作成はOK
  • 名刺への印刷は追加料金払ってください!
  • 依頼者の二次創作はOK!でも第三者による二次創作はNG

など……

 

これってどうなの?という疑問あれば、トラブルが発生する前にきちんと確認しましょう。

 

逆に、イラストレーターはこれらが依頼主に分かりやすいよう工夫して伝える必要があります。




「ココナラ」は出品者の記載がない限り「自由度」が高い

少し話がそれますが、イラスト制作などのスキルを気軽に販売できる「ココナラ」についてお話します。

 

これらのサービスには必ず「利用規約」が定められています。とくに「ココナラ」では規約に要注意です。

 

5. サービス利用会員は、出品者が商品の説明や商品の提供過程において明示的に指定した場合を除き自ら使用するためのみ、自由に出品者著作物等を利用(複製、複写、改変、第三者への再許諾その他のあらゆる利用を含みます。)できるものとします。但し、自らが提供を受けた商品に関する出品者著作物等を、転売目的のために購入し、譲渡する行為は禁止します。

引用元:『ココナラ』利用規約

 

つまり、出品者がとくに記載していない限り、複製・模写・改変・第三者への再許諾を含んだあらゆることが「自由に」できちゃうということですね。

 

再許諾とは

”ライセンス契約等で一定の権利の許諾を受けた当事者が、その権利を更に第三者に許諾すること。いわゆるサブライセンス。”
法務・会計 用語サイト』より

 

再許諾もOKとされているため、依頼者だけに許可していた利用範囲や権利について「依頼者が」「第三者に」許可を出せるということです。

 

再許諾は第三者にも権利が渡される危険

 

再許諾は第三者に権利が渡される危険

 

これをされてしまうと、本当になんでもOKになるため、出品者は『必ず』許可範囲、NG行為について記載しておきましょう。




まとめ:依頼する方もされる方も「自衛」を心がける

イラストレーター、依頼者それぞれがトラブルが起きないよう「自衛」をしましょう。

 

イラストレーター

  • 依頼ページにはできること、できないことを分かりやすく記載する
  • 依頼を受ける前に依頼主のアイコンが権利を侵害してないかをよく確認する
  • 利用サービス(ココナラ)などの利用規約を確認する

 

依頼者

  • 著作権、商用利用などの知識をつけておく
  • 納品イラストの使用可能範囲、NG範囲を確認しておく
  • わからないことは制作者にきく
  • 第三者にイラストをお願いする場合は(ファンアートだとしても)、自分のイラストではないことをきちんと伝える

 

制作者側はけっして、依頼者をルールでしばりたいわけでもありません!!!

 

依頼者と同じくらい、その作品に愛があるからこそ、しかるべき「ルール」を定めているのですね。

 

今回は実際にあったトラブルとその原因、ココナラでの注意事項などについてお伝えしました。

 

お互い気持ちのいい取引ができるよう心がけるようにしましょう^^

 

みなさまから頂いた感想


以上です!

 

>> さめはだ舞子のイラスト制作実績
https://samemai.com/portfolio_top/

 

▼2018年9月に「著作権」をはじめ、WEBライターやイラストレーターが知っておくべき権利についての書籍が発売されるようです…!

▼こちらの雑誌には「著作権」や「引用」などWEBコンテンツに関わる権利について詳しく書かれているのでおススメです